2024.8.18

松尾大社展と図録

現在、特別展示室では「松尾大社~みやこの西の守護神(まもりがみ)~」を開催しています。

いよいよ9月になり、のこすところ、あと2週間を切りました。

 

松尾大社バナーR6-1

 

この展覧会は京都文化博物館で4月~6月にかけて開催していた展覧会を引き続き当館でも開催しているものです。ただ、当館の展覧会では鳥取と松尾大社の繋がりの一つでもある、東郷荘(現・湯梨浜町東郷池一帯にあった松尾大社の荘園)の関係資料を中心に展示資料を一部追加、変更して、展示構成を当館の方で再構成している展覧会です。

どちらの展覧会も京都芸術大学の野村朋弘先生が中心になって開催しているものですが、当館学芸員も企画に参加している縁で京都だけでなく鳥取でも開催することになりました。

展覧会は松尾大社が所蔵する古文書を中心に約160点の資料を展示しています(松尾大社と松尾大社展についてはこちらのページをご覧下さい→)。

 

また、今回の展覧会では、当館での展覧会でしか展示していない資料が結構あったことから、それらの展示資料を中心に急遽図録を作成することになりました。

といいますのは、今回の展覧会では何を展示したのか、どの様に紹介したのかを記録として遺したい、ということから作成することになりました。

そこで、今回、松尾大社の企画・編集・発行で、展覧会の企画の野村先生と当館学芸員を中心に構成などを考えてinDesignでレイアウトを作成して、またそれ以外にも校閲や画像加工、刊行にあたってのご支援など、色々な方のご協力ををいただき、先日漸く完成し、9/4から当館ミュージアムショップで販売を開始しております。

 

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当館で新たに紹介した資料を中心に資料を紹介し、そして松尾大社所蔵文書の調査成果の一つでもある、古文書の料紙研究を紹介するものとして、織田信長や徳川家康などの光学顕微鏡の撮影画像も掲載しています。

さらに、今年度の松尾祭の撮影画像や近世までの松尾大社の社家の系図なども掲載しています。

また、巻末には野村先生のほか、京都の展覧会で企画委員をされていた、佐々木創先生にあらたに小論をご執筆頂いて掲載しています。ついでに当館担当学芸員の小論もあります。

今回の図録は当館で発行しておりません。また、発行部数がかなり少ないので、お求めの方はお早めにご来館ください。

 

この松尾大社展は当館での展覧会が最後になります。

今回の展覧会では東郷荘の下地中分図を展示しています。

現在展示中の絵図は西岡虎之助コレクションの模本です。内容は、歴史の教科書などに掲載もされている絵図(こちらも模本)と同じです。8月18日まではこちらを展示していましたが、展示替えで西岡虎之助コレクションの方を展示しています。ただ、こちらの模本が展覧会で出るのは多分珍しいと思われますので、是非、直接お越しください!

ちなみに、よく使用されている方の模本は、原本の1.5倍に拡大して展示していますので、より内容が見やすくなっております。

それだけでなく、松尾大社所蔵資料の大半は普段非公開の資料ですので、是非、ご覧頂ければと思います。

 

あと、この展覧会をきっかけに松尾大社に興味を持って頂けましたら、是非、松尾大社へもご参拝いただけるとありがたいと思っております。

暑さが和らぐ季節となってきました。

京都屈指の観光地でもある渡月橋も近くです(渡月橋のすぐそばには松尾大社の摂社・櫟谷宗像神社もあります)。

この秋は是非、京都の松尾大社へ!