現在開催中の「鳥取県埋蔵文化財センターの名品」展もいよいよ、明日からの4連休(19日~22日)で終了です。
原始から中世までの、鳥取県が誇る、埋蔵文化財のお宝の数々が見られるのも、22日まで。
是非お越し下さい。
ちなみに、個人的なお勧めは、下坂本清合遺跡の埋蔵銭です。
解説によると、大量に壺に詰めて地面に埋めた理由は、戦乱の時代を生きた人たちの「へそくり」とも考えられますが、実際の目的は不明のようです。
中世の埋蔵銭について見てみると、中世には地面に埋めたものは無主物となる考えがあったようで、埋めてしまっては自分のお金ではなくなってしまう、ということから、「へそくり」説の疑問は、この辺りに理由がありそうです。
時代は少し遡る資料となりますが、銭には呪術的な意味合いもあったようで、銭を多く持つ人=お金持ちのことを「有徳人」といったりします。
また、「徒然草」に出てくる、大福長者というお金持ちが、銭について「君の如く、神の如く畏れ尊みて、従へ用ゐる事なかれ。(銭を君主(天皇)のように、神のように畏れ尊んで、(家臣のように)従わせて用いることはしてはいけない」と言っており、銭を特別視する観念もあったようです。
このように、古代、中世には、銭に呪術的な意味合いがあったと考えられており、信仰的な目的で埋めたのでは?、という見解も成り立つようです。
ちなみに、この展示資料は、出土状況を示すレプリカも展示されています(写真中央奥)。本物はその前に展示されている一枚になった銅銭です。
是非、ご来館いただいて、実物を見て下さい。
「鳥取県埋蔵文化財センターの名品」は9月22日(火)まで。
20日(日)には、8月2日(日)から延期していた、連続講座「鳥取県埋蔵文化財センターの名品紹介」も開催されます。
まだ、若干予約に空きがありますので、ご参加を希望される方は、是非予約のお電話をお願いします(当日に直接ご来館された場合は、予約の状況によって、参加をお断りさせて頂くことがあります)。