2021.10.9

「吉川経家と吉川家の名品」展開催中です。

現在、特別展「吉川経家と吉川家の名宝~吉川史料館名品展~」を開催中です。

 

今回の展覧会では、吉川史料館の所蔵資料を中心に、吉川経家関係の資料や鎌倉時代から続く吉川家が伝来してきた古文書や書画、美術工芸品を展示しています。

 

今回の展示で、(展示担当者の一人が)イチオシの資料は「吉川本吾妻鏡」です。

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「吾妻鏡」は鎌倉幕府の歴史書で、源頼政が反平家に起ち上がり以仁王の許に向かった治承4年(1180)4月9日から、文永3年(1266)7月20日に宗尊親王(6代目将軍)が将軍職を辞するまでのことを記録した史料です。

吉川史料館が所蔵する「吾妻鏡」は吉川本とよばれ、元々は大内氏が所蔵していたものですが、後に吉川家の蔵書となるものです。現在我々が読むことが出来る「吾妻鏡」は、鎌倉時代が終わって散逸した原本を、後世に再び集められて編纂された写本になります。

そして、その中でも吉川本は、他の写本から欠落してしまった記録が残っており、最もよい写本の一つとされています。

 

今回の展覧会では、以下の6冊を展示しています。前半の源平合戦の有名な記事や、鳥取に関わる記録を展示しています。

 


1巻(治承4年4月9日・以仁王と源頼政の密会、吾妻鏡最初の記述)
2巻(元暦元年2月5日・一ノ谷合戦)
3巻(文治元年3月24日・壇ノ浦の戦い)
23巻(承久3年6月18日・承久の乱、伯耆の御家人・金持兵衛尉について)
41巻(建長6年閏5月1日・長田広雅・因幡の御家人)
46巻(弘長3年10月10日・佐治入道・因幡の御家人)


 

なお、「吾妻鏡」の後ろにある屏風は、「一ノ谷合戦図屏風」です。一ノ谷合戦の記事と一緒に鑑賞してみてください。

 

是非、「吾妻鏡」を見に来てください!

吉川経家と吉川史料館の名品_B2.B3(校正3)-1